原著論文・学術大会

第75回 全日本鍼灸学会 学術大会  PDF

第75回(公社)全日本鍼灸学会 学術大会 岡山大会
患者によりそう医療
-医師と鍼灸師のコラボレーション-
期間 2026(令和8)年5月29日(金)~5月31日(日)
会場 岡山コンベンションセンター ママカリフォーラム

鍼灸基礎Ⅰ 153-Sun-P1-12:56 pp.165
円柱状艾炷内部の熱伝導特性
1) 蛍東洋医学研究所
2) 大塚鍼灸院
3) 明治東洋医学院専門学校
大塚 信之1, 2)、瀨尾 寿々2)、半田 由美子3)


【目的】 灸に用いられる円柱状の艾炷内部の熱伝導特性について記載した文献は確認できなかった。そこで、円柱状艾炷内部の熱伝導特性を検討するために、重量の異なる艾炷を用いて加熱時の温度特性を明らかにする。
【方法】 艾(灸頭鍼用中級品、若草印、山正)を外径8mm、内径7mm、高さ13mmの紙製の円筒内に充填して、円柱状艾炷とした。艾の重量w(g)は0.02gから0.14gとし、艾の密度が0.3g/cm3)程度となるように円筒内で艾を圧縮した。加熱したステンレス製金属棒を艾炷上面に接触して艾炷を加熱した。温度はK型熱電対を用いて測定した。金属棒の底面中央部の温度は、艾が発火しないように265℃程度とした。檜板上に設置した熱電対で、艾炷の底面中央部の温度TL(℃)を測定した。各5回測定して平均値を算出した。加熱時間は5分とし、温度測定後に艾炷の高さh(mm)を測定した。TLと室温の差を上昇温度ΔT(℃)とした。
【結果】 TLは時間とともに上昇した。wが0.08g以上の場合、TLは上昇した後に5分後までほぼ一定となった。wが0.02gから0.12gに増加すると、hは2.1mmから9.6mmに増加し、5分後のTLは144℃から48℃に低下した。温度上昇開始までの時間は0.5sから34sに増加し、昇温速度は3.6℃/sから0.2℃/sに低下した。
【考察】 回帰分析の結果、ΔTはwに反比例し、ΔT・w=3.1(℃ g)となった。ΔTに及ぼす物理量を明らかにするためにΔTとhの関係を求めた結果、ΔT・h=266(℃ mm)となった。これより、目標とするTLを得るためのwとhを推定できる。また、加熱時間が5分の場合、TLを一定に維持するにはwを0.08g以上、hを7mm以上とすればよいことがわかった。
【結語】 円柱状艾炷では、wやhの増加に伴いTLは低下した。ΔTはwやhに反比例した。加熱時間が5分の場合、wを0.08g以上、hを7mm以上とすることで、TLは一定になることが示された。

キーワード 灸、円柱状艾炷、艾炷高さ、艾重量、熱伝導


住所
1, 2) 〒560-0033 大阪府豊中市螢池中町3丁目8-14
  E-mail: hari.otsuka.holding@gmail.com

ページトップに戻る