鍼道秘訣集

血の塊りや瘀血を血塊と言い、血塊と懐姙の見分け方を知らない針医は、懐姙を血塊と診断します。
その結果、針をして胎児を流産させたり、胎児にまでとどく針をして胎児に傷をつけたりします。
これは針医として恥ずべきことです。 そうは言っても、伝授されなければ、致し方ありません。 そこで、包み隠さず記載します。
弁別の方法は、臍の下の両方の腎の間を指の腹で触診して、
浮いていて軟らかく丸いものが有れば懐妊です。
沈んで堅いものが有ると血塊に間違いありません。
これは些細な事ですが、知っているのと知らないのでは大きな違いがあります。
この相伝を知っている人は、恥をかきません。
未来への形見として、相伝を記載します。